知らないとする 大家さんのお金の話
第1章 税金

青色申告と
家族へのお給料

ようするに→紙を出すだけで使える控除を、出していないだけで逃している話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
確定申告には「白色」と「青色」があって、青色は税務署に紙を1枚出して承認してもらうだけで、 利益から最大65万円を引いてくれるごほうび付き。 なのに白色のままの大家さん、まだけっこういるんだ。もったいない!

1青色申告ってなに?——届出1枚のごほうび制度

きちんと帳簿をつける人には税金のごほうびをあげます、というのが青色申告です。 始め方はかんたんで、「青色申告承認申請書」を税務署に1枚出すだけ。 その年から青色にしたいなら3月15日まで(年の途中で大家業を始めた人は開業から2ヶ月以内)に提出します。 出し忘れるとその年は白色のまま=ごほうびなし。まさに「知らないと損」の入口です。

2ごほうびは3段階——10万・55万・65万

青色申告特別控除は、条件によって10万円・55万円・65万円の3段階。 55万円以上に上がる条件は「事業的規模(めやすは5棟または10室以上)」+「複式簿記で帳簿をつけて貸借対照表を出す」こと。 さらにe-Taxで電子申告する(または優良な電子帳簿で保存する)と65万円になります。 いまは会計ソフトを使えば複式簿記もe-Taxもほぼ自動なので、規模がある大家さんが65万円を取らないのはもったいない話。 なお2027年分からは最大75万円に拡大される改正も予定されています。

図:青色申告のごほうびの階段
10万円 かんたんな帳簿でOK 55万円 事業的規模(5棟10室) +複式簿記で記帳 65万円 55万円の条件 +e-Taxで申告 (紙で出すと55万円のまま!) ※控除はその年の不動産所得の黒字が上限です

3家族へのお給料も経費にできる(専従者給与)

青色+事業的規模なら、もうひとつ大きな武器が使えます。 物件の管理や経理を手伝ってくれる家族(15歳以上・生計が同じ)に払うお給料を、 「青色事業専従者給与」として全額経費にできるのです。 これも事前に届出書を出した範囲内で、仕事の内容に見合った金額であることが条件。 家族に所得を分散すると、家全体で見た税金がぐっと軽くなります。

用語メモ 事業的規模=不動産の貸付けが「事業」といえる大きさのこと。めやすは戸建てなら5棟、アパート・マンションなら10室(組み合わせもOK)。この線をこえると、55万・65万円控除や専従者給与への道が開けます。
ここが落とし穴
①55万・65万円控除は期限内申告が絶対条件。申告が1日遅れただけで10万円に転落します。 ②専従者給与をもらう家族は配偶者控除・扶養控除の対象から外れます。少額の給与ならかえって損になることも。 ③事業的規模に満たない場合は控除10万円・専従者給与ナシ。規模の判定と金額設計は、最初に税理士へ相談する価値が十分あります。
きょうのまとめ
  1. 青色申告は申請書1枚(3月15日まで)で始められるごほうび制度
  2. 控除は10万→55万→65万円の階段。65万円のカギはe-Tax
  3. 事業的規模(5棟10室)なら家族への給与も全額経費に
  4. 期限内申告・事前の届出、と「先に紙を出す」が全部の共通ルール
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