減価償却で税金が
安くなるしくみ
1建物は「毎年少しずつ経費」にできる
1,500万円の物件を買った年に、1,500万円をまるごと経費にはできません。 そのかわり、建物は年月とともに古くなっていくので、「古くなっていく分」を毎年少しずつ経費にしていいことになっています。 これが減価償却です。大事なルールがひとつ——経費にできるのは建物だけ。土地はダメ。土地は何年たっても古くならない、という考え方だからです。
2何年で割るの?——構造で決まっています
「使える年数」は自分では決められず、建物の構造ごとに法律で決まっています。 これを法定耐用年数(ほうていたいようねんすう)といい、賃貸住宅の場合は 木造22年・鉄骨造34年・RC造(鉄筋コンクリート)47年です。 たとえば新築で建物1,100万円の木造アパートなら、ざっくり1,100万円÷22年=毎年50万円ずつ経費にできる計算です。
3中古はもっと早く経費にできる(築古の魔法)
中古で買った建物は、残りの寿命が短いぶん、もっと短い年数で割ってよいルール(簡便法)があります。 計算式は2パターン。まだ耐用年数が残っていれば「(法定耐用年数−築年数)+築年数×20%」。 そして築年数が法定耐用年数を全部すぎていたら「法定耐用年数×20%」です。
つまり築22年超の木造なら、22年×20%=4.4→端数切り捨てでたった4年。 建物1,200万円なら毎年300万円という大きな経費を、4年間つくれることになります。 築古物件が節税に強いといわれる理由は、まさにここです。
4なぜ節税になるの?——「お金の出ない経費」だから
税金は「家賃収入−経費」で残った利益にかかります。 減価償却は財布からお金が出ていかないのに、経費として利益を減らしてくれるので、 手元にお金を残しながら税金だけを軽くできるのです。 給与のあるサラリーマン大家さんなら、帳簿上の赤字を給与とぶつける「損益通算」との合わせ技も使えます。
5知っておくべき3つの落とし穴
② 売るときに取り戻される——償却した分だけ帳簿上の建物の値段が下がるので、売却時の利益(譲渡所得)が大きく計算され、税金が増えます。減価償却は「税金ゼロの魔法」ではなく「税金の先送り+税率の差で得をする」しくみと理解するのが正解。
③ 建物価格の決め方で全部変わる——同じ1,500万円の物件でも「建物いくら」とするかで償却額が激変します。売買契約書に建物価格や消費税額を明記してもらうのが基本。大規模リフォーム済み物件は簡便法が使えない場合もあるので、金額が大きいときは税理士に相談を。
- 建物の「古くなる分」はお金を払わずに経費にできる。土地はダメ
- 年数は構造で決まる。木造22年・鉄骨34年・RC47年(賃貸住宅)
- 築22年超の木造なら4年の短期償却。築古が節税に強い理由
- ただし「償却後」と「売却時」まで見すえてこそ本当の節税