第3章 融資・売却・法人化
「5棟10室」の壁を
「5棟10室」の壁を
知っていますか
ようするに→この規模をこえると、使える節税の道具が一気に増える話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
税金の世界では、大家業が「事業」と呼べる規模かどうかで扱いがガラッと変わるんだ。
その目安が戸建てなら5棟、アパートなら10室——通称「5棟10室基準」。
この線の手前と向こうで何が変わるのか、まとめて見せるね!
1壁の向こうで解放される「4つの道具」
事業的規模と認められると、①青色申告特別控除が10万円→最大65万円に、 ②家族への給与(専従者給与)が全額経費に、 ③小規模企業共済(大家さんの退職金づくり)に加入でき、 ④建物の取り壊し損失などを全額経費にできるようになります。 同じ家賃収入でも、壁の向こう側のほうが手取りを残す道具が圧倒的に多いのです。
図:「5棟10室」の壁の手前とむこう
2数え方のコツ
数え方には慣例があります。戸建て1棟=アパート2室ぶんとして換算できるので、 「戸建て3棟+アパート4室」なら3×2+4=10室相当で基準クリア。 駐車場はおおむね5台分で1室と数えるのが実務の通例です。 この基準はあくまで形式的な目安で、最終的には収入規模なども含めた実態で判断されます。 ギリギリのラインの人は、税務署か税理士に確認するのが安全です。
3壁をこえたら来るもの——個人事業税
良いことずくめではありません。事業的規模になると個人事業税(税率5%)の対象になります。 ただし年290万円の控除があるので、所得290万円以下なら実際の負担はゼロ。 たとえば不動産所得500万円なら(500万−290万)×5%=10.5万円です。 65万円控除や専従者給与のメリットと比べれば、多くの場合おつりが来る「会費」といえます。
ここが落とし穴
①個人事業税は青色申告特別控除を引く前の所得で計算されます(65万円控除は効きません)。
②事業的規模になっても、専従者給与や65万円控除は届出・期限内申告などの手続きが別途必要。規模だけ満たしても自動では付いてきません。
③共有物件は持分でなく物件全体の室数で判定するなど細かいルールあり。判定に迷ったら自己判断せず専門家へ。
きょうのまとめ
- 「事業的規模」の目安は戸建て5棟 or 10室(戸建て1棟=2室で換算)
- 壁の向こうでは65万円控除・専従者給与・共済加入が解禁
- かわりに個人事業税5%(290万円控除あり)がやってくる
- 規模を満たしても届出と期限内申告を忘れたら宝の持ちぐされ