第3章 融資・売却・法人化
法人にする?
法人にする?
個人のまま?
ようするに→もうけが大きくなると、会社をつくったほうが税金が安くなる話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
個人の税金は「もうかるほど税率が上がる」階段式。
いっぽう法人の税率はだいたい一定。だからどこかで必ず逆転ポイントが来るんだ。
「うちはまだ早い?もう遅い?」——目安と考え方を図解するね!
1個人は階段、法人はほぼ平ら
個人の所得税は累進課税で、住民税と合わせると最高55%まで階段状に上がっていきます。 課税所得900万円を超えると、増えた分にかかる税率は43%前後に。 一方、中小法人の実質的な税負担はおおむね25〜35%程度でほぼ一定。 この2本の線が交わるあたり——課税所得900万円前後が、法人化を検討する定番の目安といわれています (専業大家さんなら、より低い所得から逆転が始まるという考え方もあります)。
図:個人と法人、税率が逆転するイメージ
2税率だけじゃない、法人のうまみ
法人化のメリットは税率のほかにもあります。家族への役員報酬で所得を分散できる、 経営セーフティ共済や退職金など法人だけの節税枠が使える、 赤字を10年繰り越せる(個人は3年)、そして将来は物件でなく株式で相続できるので承継対策がしやすい。 規模を拡大したい人ほど、融資の面でも法人の決算書を育てていく価値があります。
3ただしコストも一定——「維持費の壁」
法人には固定コストがあります。設立に約30万円、赤字でも払う法人住民税の均等割が年約7万円、 税理士費用が年30万円前後、そして役員報酬を出せば社会保険料。 この維持費を税率差のメリットが上回るか——それが本当の損益分岐点です。 もうけが小さいうちに法人化すると、節税額より維持費のほうが大きい逆転現象が起きます。
ここが落とし穴
いちばん高くつくのは「個人で買った物件を、あとから法人に移す」こと。
移転は法人への売却扱いになるため、登録免許税・不動産取得税がもう一度かかり、個人側に譲渡税が出ることも。
これから規模を広げるつもりなら、次の物件から法人で買うのが王道です。
分岐点は家族構成や給与の有無で大きく動くので、実行前に税理士シミュレーション必須。
きょうのまとめ
- 個人は階段式(最高55%)、法人はほぼ一定(25〜35%程度)
- 検討の目安は課税所得900万円前後。専業ならもっと早い場合も
- 法人の維持費は年40万円前後〜。これを上回る節税があるかで判断
- あとから移すのは高くつく。「次の物件から法人で」が王道