第2章 保険・修繕
火災保険で直せる場所は
火災保険で直せる場所は
意外と多い
ようするに→台風や雪でこわれたところは、保険のお金で直せるかもしれない話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
「火災保険」という名前だけど、じつは火事のためだけの保険じゃないんだ。
台風・大雪・ひょうでこわれた場所も、申請すればお金が出ることが多いんだよ。
知らずに自分のお金で直しちゃう大家さん、すごく多いんだ…!
1「火災」保険なのに、風や雪もカバーするの?
します。ふつうの火災保険には、はじめから「風災(ふうさい)・雹災(ひょうさい)・雪災(せつさい)」という補償がセットで入っていることがほとんどです。 台風で屋根がこわれた、雪の重みで雨どいが曲がった——そういう「自然のせいでこわれたもの」が対象です。
用語メモ 風災=台風・突風・竜巻などの「風」の被害。雹災=空から降る氷のかたまり「ひょう」の被害。雪災=大雪や雪崩の被害。ちなみに床上浸水のような「水につかる」被害は別の補償(水災)になります。
図1:アパートの「保険で直せるかもしれない場所」マップ
2お金が出るもの・出ないもの
いちばん大事な分かれ目はここです。「自然災害でこわれた」なら対象、「古くなって傷んだだけ」なら対象外。 この「古くなっただけの傷み」のことを経年劣化(けいねんれっか)といいます。
お金が出やすい例
- 台風で屋根の瓦が飛んだ・ずれた
- 強風で飛んできた物で窓が割れた
- 雪の重みで雨どいやカーポートが曲がった
- ひょうで屋根や外壁がへこんだ
お金が出ない例
- 古くなってサビた・色あせた→経年劣化は対象外
- 駐車場にとめてある自動車のキズ→車は火災保険ではなく自動車保険の担当
- わざと・不注意でこわした
- 被害額が「自己負担額」より小さい→くわしくは次の章で
3大事な数字は「3年」と「自己負担額」
保険金を請求できる期限は、法律(保険法)で原則3年と決められています。 逆にいえば、3年前の台風の被害でも、今から申請できる可能性があるということ。 ただし時間がたつほど「本当に台風のせい?」の証明がむずかしくなるので、早いほど有利です。
もうひとつが自己負担額(免責金額)。契約で決めた金額(例:5万円)までは自分で負担し、それを超えた分が保険金になるしくみです。 なお、昔の契約には「損害が20万円以上でないと1円も出ない」というタイプもあるので、ご自身の保険証券を一度確認してみてください。
図2:自己負担額のしくみ(例:修理代30万円・自己負担5万円のとき)
4申請の流れは、たった4ステップ
むずかしい手続きに見えますが、大家さんがやることはシンプルです。 いちばん大事なのは「直す前に、写真を撮る」こと。先に修理してしまうと、被害の証明がむずかしくなります。
STEP 1
被害を見つける
台風・大雪のあとは建物のまわりをチェック
STEP 2
写真を撮る
直す前に!全体と近くから何枚も
STEP 3
保険会社に連絡
代理店でもOK。書類が送られてきます
STEP 4
確認 → 入金
必要なら鑑定人さんが見に来て、保険金が振り込まれます
用語メモ 鑑定人(かんていにん)=保険会社から来る「被害の調査をする専門家」。修理の見積書と現場を見て、いくら払うかの確認をします。
5気をつけて!「無料で直せます」の営業
ここが落とし穴
「保険金を使えばタダで修理できますよ」と訪問してくる業者には要注意。
高額な手数料や違約金を取られたり、ひどい場合はわざと建物をこわして申請させる(=保険金詐欺)という手口もあり、
国や消費生活センターが注意を呼びかけています。申請は本人ができるシンプルな手続きです。
迷ったら、まず自分の保険会社・代理店に電話しましょう。それがいちばん安全で、お金もかかりません。
きょうのまとめ
- 火災保険は火事だけじゃない。台風・雪・ひょうの被害も対象
- 「古くなっただけ」はNG。自然災害でこわれたが条件
- 請求期限は原則3年。過去の台風被害もまだ間に合うかも
- 直す前に写真。申請は自分でできる。怪しい業者はスルー
保険証券を引き出しから出して、「風災」の文字と自己負担額をチェックするところから始めてみてね。
物件が多い大家さんは、物件ごとの保険の一覧表を作っておくと、いざという時にすぐ動けるよ!