第5章 相続・生前贈与
いらない土地は国に
いらない土地は国に
引き取ってもらえる
ようするに→相続した使い道のない土地を、お金を払って国に渡す新制度の話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
「親から相続した山奥の土地、固定資産税と草刈り代だけかかって使い道がない…」
そんな悩みに応えて2023年にできたのが相続土地国庫帰属制度。
条件を満たせば、国が土地を引き取ってくれるんだ。
ただし タダではなく、条件もなかなか厳しい。現実的な使い方を解説するね!
1しくみ——審査に通れば、負担金を払って国のものに
対象は相続(または遺贈)で取得した土地。買った土地は対象外です。 流れは、①法務局に申請(審査手数料は1筆14,000円) → ②書類・実地の審査 → ③承認されたら負担金(原則20万円)を納付 → ④土地が国庫へ。 負担金は「10年分の管理費相当」という位置づけで、市街地の宅地や農地・森林は面積に応じて高くなることがあります。
図:国庫帰属までの流れと、引き取ってもらえない土地
2正直な評価——「最後の出口」であって「便利な処分方法」ではない
見てのとおり、条件はかなり厳格です。建物付きは解体が必要、境界不明はNG、 費用も手数料+負担金で最低でも21万円超(+解体費や測量費がかかる場合も)。 だから順番としては、まず①売却(隣地の方への声かけ含む) → ②自治体の空き家・空き地バンク → ③引き取り業者や寄付の検討 → ④それでもダメなら国庫帰属。 それでも「持ち続ける管理費・固定資産税・将来世代への先送り」と比べれば、 20万円で手放せるのは十分に検討価値のある出口です。
3相続放棄とのちがい——「選んで手放せる」のが価値
「いらない土地があるなら相続放棄すれば?」と思うかもしれませんが、 相続放棄はプラスの財産も含めて全部を放棄する制度。 収益物件や預金は相続したい大家さんの家庭には向きません。 国庫帰属制度は、「これは相続する、この山林だけ手放す」と選べるのが最大の価値。 相続対策の設計図に「いらない土地の出口」という欄をつくっておきましょう。
ここが落とし穴
①申請できるのは相続・遺贈で取得した人。売買で買った土地は対象外です。
②審査には時間がかかり、手数料は不承認でも返ってきません。事前に法務局の相談窓口(予約制)で見込みを確認してから申請を。
③農地・森林・広い土地は負担金が20万円より高くなる場合あり。金額は法務局サイトの自動計算で試算できます。
きょうのまとめ
- 相続したいらない土地は審査+負担金(原則20万円)で国へ
- 建物あり・担保あり・境界不明などはNG。条件は厳しめ
- 順番は売却→バンク→寄付→国庫帰属。最後の出口として
- 相続放棄とちがい「この土地だけ」手放せるのが価値