第1章 税金
台風や地震で被災したら
台風や地震で被災したら
税金が安くなる
ようするに→災害の損害を、確定申告で取り返す2つの制度の話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
台風・地震・大雪…被災したときは、保険だけじゃなく税金にも救済があるんだ。
使えるのは「雑損控除」と「災害減免法」の2つで、どちらか有利な方を選ぶ方式。
そして大家さんには超重要な仕分けがもうひとつ——
自宅の被害と賃貸物件の被害では、使う制度が違うんだよ!
12つの救済——雑損控除と災害減免法
雑損控除は、自宅や家財など生活用資産の損害を所得から差し引く制度。 控除額は「(損害額+災害関連支出−保険金)−所得の10%」など決まった式で計算し、 引き切れない分は翌年以降3年(大規模な特定非常災害は5年)繰り越せます。盗難・横領の被害も対象。 災害減免法は、住宅・家財の半分以上が損害を受けた場合に、 所得500万円以下なら所得税が全額免除(750万円以下は半分、1,000万円以下は4分の1)というダイレクトな減免。 どちらか有利な方を選択します。
図:2つの制度、どっちを選ぶ?
2大家さんの仕分け——賃貸物件の被害は「経費」で
ここが今日の核心。雑損控除の対象は生活用の資産(自宅・家財)で、 賃貸物件など事業用資産の被害は対象外です。 では損かというと逆で、賃貸物件の損失は不動産所得の必要経費(資産損失)や修繕費として処理でき、 赤字になれば損益通算にもつながります。 つまり被災したら、「自宅の被害→雑損控除か災害減免法」「物件の被害→不動産所得の経費」と仕分けるのが正解です。
3被災直後にやること——証拠と証明
申告で必要になるのは損害の証明。①片付ける前に写真(全体と近接)、 ②修理の見積書・領収書の保管、③自治体で罹災証明書の取得。 保険金の入金記録もセットで残しましょう(控除の計算では保険金を差し引くため)。 なお被災地では申告・納付期限の延長や固定資産税の減免など、自治体独自の支援も出ます。あわせて確認を。
ここが落とし穴
①どちらの制度も確定申告しないと1円も戻りません。年末調整では処理できない項目です。
②災害減免法はその年かぎり。損害が大きく所得が高い人は、繰越できる雑損控除が有利なことも。試算して選択を。
③「片付けてから写真がないことに気づく」が最多の失敗。撮ってから片付けるを合言葉に。
きょうのまとめ
- 被災時の税の救済は雑損控除 or 災害減免法の選択制
- 雑損控除は繰越3年、減免法は所得500万以下で全額免除の破壊力
- 賃貸物件の被害は雑損控除でなく不動産所得の経費で処理
- 写真・見積書・罹災証明書が申告の三種の神器