知らないとする 大家さんのお金の話
第5章 相続・生前贈与

生前贈与のルールが
変わった(3年→7年)

ようするに→亡くなる前の贈与が相続税に足し戻される期間が延びた話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
「毎年110万円ずつ贈与すれば相続税対策になる」——これ自体は今も有効。 でも2024年の改正で、亡くなる前の贈与が相続財産に足し戻される期間が3年→7年に延びたんだ。 つまり直前の駆け込み贈与はどんどん効かなくなる。 新ルールと、それでも使える作戦を整理するよ!

1新ルール——「亡くなる前7年」は無かったことに

暦年贈与(年110万円まで非課税の普通の贈与)には昔から「持ち戻し」ルールがあります。 亡くなる直前の贈与は相続財産に足し戻して相続税を計算する、というもの。 この期間が3年から7年に延長されました(2024年1月以降の贈与から段階的に適用され、2031年以降は完全に7年)。 なお延長された4年分(死亡前4〜7年)の贈与については、合計100万円までは足し戻さない緩和もあります。

図:「持ち戻し」のタイムライン
相続発生 死亡前1〜3年の贈与 全額足し戻し 死亡前4〜7年の贈与 足し戻し(計100万円までは免除) 7年より前 足し戻しなし! ※2024年以降の贈与から段階適用。2031年以降の相続から完全に7年になります

2それでも生前贈与は死んでいない——3つの作戦

作戦①とにかく早く始める:7年ルールは裏を返せば「7年より前の贈与は無傷」。元気なうちからの長期戦が最強です。 作戦②孫に贈る:持ち戻しの対象は原則「相続で財産をもらう人」への贈与。 相続人でない孫への贈与は原則足し戻されません(遺言で財産を渡す場合などは例外)。 作戦③相続時精算課税の110万円枠:2024年にできた精算課税の年110万円基礎控除は、 7年ルールの対象外で足し戻し不要。使い分けの新定番になりつつあります(くわしくは精算課税の記事で)。

3やり方の基本——「あげた証拠」を残す

期間の話の前に、そもそも贈与として認められることが大前提。 贈与契約書をつくる・もらう人自身が管理する口座に振り込む・通帳や印鑑をもらった人が持つ。 これがないと「名義預金」とみなされて全額が相続財産に逆戻りします(くわしくは名義預金の記事で)。 毎年きちんと形を残す——地味ですが、これが生前贈与のすべての土台です。

ここが落とし穴
①「そろそろ危ないから贈与しよう」はもう間に合わない時代。7年は長い。 ②孫への贈与も、遺言で財産を渡したり生命保険の受取人にしたりすると持ち戻し対象になり得ます。設計は全体を見て。 ③足し戻しの対象は暦年贈与の話。おしどり贈与や住宅取得資金贈与など、別の特例には別のルールがあります。組み合わせは税理士と。
きょうのまとめ
  1. 持ち戻し期間が3年→7年に。直前の駆け込み贈与は効かない
  2. 死亡前4〜7年分は計100万円まで足し戻し免除の緩和あり
  3. 対策は早く始める・孫に贈る・精算課税110万円枠の3本柱
  4. 贈与は契約書と口座の証拠があってこそ。形から整える
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