第4章 運営
滞納家賃、自分で裁判所に
滞納家賃、自分で裁判所に
行けるって知ってた?
ようするに→弁護士なしでできる、かんたんな回収手続きが2つある話
最終確認日:2026年9月10日 ※個別対応は専門家にご確認ください
「裁判なんて大ごとだし、弁護士費用のほうが高くつくでしょ」——
そう思って泣き寝入りする大家さん、多いんだ。
でも実は、本人だけで・数千円の手数料でできる手続きが用意されている。
支払督促と少額訴訟、2つの道を覚えておこう!
1道その1:支払督促——裁判所からの「請求書」
支払督促は、裁判所が書類審査だけで相手に支払いを命じてくれる手続き。 出廷不要・金額の上限なしで、手数料は請求額10万円ごとに500円と激安です。 相手が2週間以内に異議を出さなければ、そのまま強制執行(差押え)まで進めます。 ただし相手が異議を出すと通常の裁判に移行するので、「争ってこなさそうな相手」に向いた道です。
2道その2:少額訴訟——1日で判決が出る裁判
少額訴訟は60万円以下の金銭請求専用のミニ裁判。簡易裁判所で行われ、 原則1回の審理で、その日のうちに判決が出ます。 必要なのは賃貸借契約書・入金記録などの証拠をそろえて出すことだけ。 分割払いの和解になることも多く、判決には強制執行の力があります。 利用は同じ簡裁で年10回まで。物件が遠くても、大家さんの住所地の簡裁でできる場合があります。
図:2つの道の使い分け
3準備するのは「証拠3点セット」
どちらの道でも、勝敗を決めるのは証拠です。 ①賃貸借契約書 ②家賃の入金記録(通帳など) ③督促の記録(送った書面・内容証明)。 日ごろから記録を残す習慣そのものが、法的手続きの準備になっているわけです。 書式は裁判所のウェブサイトにひな形があり、簡易裁判所の窓口でも書き方を教えてもらえます。
ここが落とし穴
①「出ていってもらう」(明け渡し)は少額訴訟ではできません。退去まで求めるなら通常訴訟が必要で、そこは弁護士に任せる領域です。
②勝訴しても相手に財産がなければ回収はできません。相手の勤務先や口座の目星も大事。
③事実関係が複雑な案件・相手が徹底的に争う案件は少額訴訟に不向き。最初から専門家に相談を。
きょうのまとめ
- 支払督促=書類だけ・上限なし。少額訴訟=60万円以下・即日判決
- どちらも本人だけ・数千円でできて、強制執行まで進める
- 武器は契約書・入金記録・督促記録の証拠3点セット
- 明け渡しは別ルート(通常訴訟)。そこからはプロの出番