第3章 融資・売却・法人化
大家さんにも退職金がつくれる
大家さんにも退職金がつくれる
(小規模企業共済)
ようするに→掛金を全額所得控除しながら、自分の退職金を積み立てる話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
会社員には退職金があるけど、大家さんには誰も退職金をくれない。
それを自分でつくる国の制度が小規模企業共済。
すごいのは、積み立てるお金が全額その年の所得控除になること。
「貯金しながら節税」ができる、数少ない道具なんだ!
1しくみ——積立が、まるごと控除になる
掛金は月1,000円〜7万円の間で自由に設定でき(年の途中で増減OK)、 払った掛金は全額が所得控除。年の上限は84万円です。 たとえば掛金を満額の年84万円にして、所得税・住民税あわせた税率が30%の人なら、 毎年約25万円の節税をしながら退職金の原資が貯まっていく計算。 しかも受け取るときは「退職所得」や「公的年金等」の扱いになり、税制上とても優遇されます。
図:掛金満額(年84万円)のときのイメージ
2大家さんは入れるの?——ここが肝心
加入できるのは「小規模企業の経営者・個人事業主」。大家さんの場合はこう整理してください。 ①専業大家さん(個人)→賃貸業が事業的規模(目安5棟10室)なら加入OK。 ②資産管理会社をもつ大家さん→その会社の役員として加入OK。 ③サラリーマン兼業大家さん→給与収入が主な人は原則加入できません。 「5棟10室の壁」を越えること、あるいは法人化することが、この制度への入場券になるわけです。
3もうひとつの顔——「いざという時の借入先」
積み立てた掛金の範囲内で、事業資金の貸付制度も使えます。 急な修繕や納税でお金が要るとき、掛金を担保にスピーディに借りられる—— つまり節税しながら、非常用の資金枠も持てるということ。 申し込みは中小機構(国の機関)の制度として、金融機関や商工会議所などの窓口で手続きできます。
ここが落とし穴
①途中でやめると元本割れ——任意解約は納付期間20年(240ヶ月)未満だと受取額が掛金合計を下回ります。長く続ける前提の制度です。
②無理な満額設定は禁物。掛金は月1,000円からでも始められ、あとから増額できます。
③兼業か専業か、事業的規模かどうかの判定は微妙なケースもあるので、申込前に窓口や税理士に確認を。
きょうのまとめ
- 掛金月1,000円〜7万円が全額所得控除。「貯金しながら節税」
- 専業大家さんは事業的規模で、法人役員は会社経由で加入OK
- サラリーマン兼業大家さんは原則NG——法人化で道が開ける
- 20年未満の任意解約は元本割れ。細く長くが正解