知らないとする 大家さんのお金の話
第5章 相続・生前贈与

小規模宅地等の特例
(貸付用は50%減)

ようするに→貸している土地の評価が半分になる、相続税の最強クラスの特例の話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
相続税の特例の中でも横綱級なのがこの「小規模宅地等の特例」。 アパートの敷地なら200㎡まで評価額が50%オフになるんだ。 ただし条件と手続きがしっかり決まっていて、 知らないと使えない・使えたのに申告し忘れたが起きやすい特例でもある。要点を図解するよ!

1どれだけ強い?——200㎡まで半額

亡くなった方が貸付事業(アパート・貸家・貸地など)に使っていた土地は、 200㎡までの部分の評価額が50%減額されます(貸付事業用宅地等)。 たとえば評価額6,000万円・200㎡のアパート敷地なら、評価は3,000万円に。 ちなみに亡くなった方の自宅の土地なら330㎡まで80%減(特定居住用)という、さらに強力な区分もあります。 どの土地にどの枠を使うかの選択で、相続税は大きく変わります。

図:貸付事業用の土地は200㎡まで半額に
特例なし アパート敷地の評価 6,000万円 特例あり 3,000万円 ← 200㎡まで50%オフ! ※自宅の土地なら330㎡まで80%減という区分も。どの土地に使うかは選択制です

2条件その1——「3年しばり」に注意

大家さんに直結する条件がこれ。亡くなる前3年以内に貸し始めた土地は、原則この特例が使えません (もともと事業的規模で賃貸業を営んでいた方には例外あり)。 「相続が近そうだから急いでアパートを建てる」という駆け込みを防ぐルールです。 つまり相続対策としての賃貸経営は、3年以上前からの長期戦で考える必要があります。

3条件その2——税金ゼロでも「申告」が絶対条件

そしてもうひとつ、この特例最大の落とし穴。 特例を使った結果、相続税が0円になる場合でも、相続税の申告書を出さないと特例は適用されません。 「税金がかからないなら申告不要でしょ」と何もしないでいると、 特例を選ばなかった扱いになり、あとから本来の税額+ペナルティを求められるおそれがあります。 特例は「申告してはじめて使える」——これだけは必ず覚えて帰ってください。

ここが落とし穴
①申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内。遺産分割でもめて間に合わない場合の手続き(分割見込書)もあるので、期限だけは死守。 ②相続時精算課税で生前贈与した土地にはこの特例は使えません。贈与か相続かの選択は、この特例の損得込みで。 ③どの土地に枠を使うかで税額が変わります。物件が複数ある大家さんは、必ず相続専門の税理士とシミュレーションを。
きょうのまとめ
  1. 貸付用の土地は200㎡まで評価50%減(自宅は330㎡まで80%減)
  2. 亡くなる前3年以内に貸し始めた土地は原則NG。対策は長期戦で
  3. 税金0円になる場合でも申告しないと使えない
  4. 精算課税で贈与した土地には使えない。出口まで含めて設計を
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