第5章 相続・生前贈与
なぜ不動産は
なぜ不動産は
相続対策になるの?
ようするに→同じ1億円でも、現金と賃貸物件では税金の計算のもとになる金額がぜんぜん違う話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります(本文に重要な改正情報あり)
「物件は相続対策になる」ってよく聞くよね。その正体は、
相続税を計算するときの「値段のつけ方」のルールにあるんだ。
現金は1億円ならそのまま1億円。でも不動産は、
実際の価値より低い金額で評価されるしくみになっている。図解するね!
1不動産の「相続税用の値段」は安くつけられる
相続税は、財産の「相続税評価額」に対してかかります。 現金・預金は額面どおり100%。ところが不動産は、 建物=固定資産税評価額(建築費のおよそ5〜6割程度が目安)、 土地=路線価(市場価格のおよそ8割が目安)で評価されます。 買った瞬間から、税金の世界での「値段」が下がるわけです。
2「貸している」とさらに下がる——大家さんの特権
ここからが大家さんの本領です。人に貸している建物は、借主に「借家権」があるとみなされ、 評価額からさらに30%引き(借家権割合・全国一律)。 その敷地も「貸家建付地(かしやたてつけち)」として、 おおむね2割前後評価が下がります(借地権割合×30%×賃貸割合ぶん)。 さらに条件を満たせば小規模宅地等の特例で土地200㎡まで50%減。 ある計算例では、時価7,000万円の賃貸マンション2室の相続税評価額が、 これらの適用後に約2,500万円まで下がったケースもあります。
図:同じ1億円でも「税金の世界の値段」はこんなに違う(イメージ)
3ただの節税話にしないために——「争族」と収益性
評価が下がるからといって、収益の出ない物件を買えば本末転倒。 相続対策の物件こそ立地と収益性が命です。 また不動産は現金とちがって分けにくいので、 相続人が複数いるなら「誰に何を」を決める遺言とセットで考えるのが本当の対策。 節税・収益・分けやすさの3点セットで設計しましょう。
超重要:ルール改正が来ます
行きすぎた「駆け込み節税」を防ぐため、税制改正により
相続・贈与の前5年以内に取得した貸付用不動産は、取得価額(買った値段)のおよそ80%を基準に評価する方向へ見直され、
2027年1月1日以降の取得分から適用とされています。
つまり「亡くなる直前に買って評価を圧縮」は今後ますます通用しません。
相続対策の物件購入は、早く・長期目線で・実需のある物件を——これが新常識になります。
最新の適用条件は購入前に必ず税理士へ確認してください。
きょうのまとめ
- 現金は100%評価、不動産は建物5〜6割・土地8割目安からスタート
- 貸すと借家権30%引き+貸家建付地の減額。時価の半分前後になる例も
- 節税だけでなく収益性と分けやすさまでが相続対策
- 直前取得の圧縮は封じられる方向(2027年〜新ルール予定)。対策は早めに