第3章 融資・売却・法人化
自宅を「会社の社宅」に
自宅を「会社の社宅」に
する節税
ようするに→家賃を会社の経費にしながら、自分は少しの負担で住む話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
法人をもつ大家さんに人気の節税がこれ。
自宅を会社名義で借りて(または会社所有にして)、役員の社宅として住むと、
家賃の大部分が会社の経費になるんだ。
国税庁がちゃんと計算式を決めている、正々堂々の方法だよ!
1しくみ——会社が借りて、役員に貸す
ポイントは契約の形。会社が大家さん(貸主)と契約して家賃を払い、役員は会社に「賃貸料相当額」を払って住む。 この賃貸料相当額さえきちんと徴収していれば、会社が払う家賃と役員負担の差額は給与扱いにならず、 会社の経費(損金)になります。役員報酬を増やして自分で家賃を払うより、 所得税も社会保険料もかからないぶん、手取りベースで断然有利になるのです。
2驚きの計算式——負担は家賃の1〜2割程度になることも
「賃貸料相当額」は国税庁が式を決めています。床面積が一定以下の「小規模な住宅」なら、 ①建物の固定資産税課税標準額×0.2% ②12円×床面積÷3.3㎡ ③敷地の課税標準額×0.22% の合計。 実際の家賃ではなく固定資産税ベースで計算するため、結果は市場家賃よりずっと小さくなります。 計算例では、家賃20万円の部屋の賃貸料相当額が月2万円台になったケースもあるほど。 なお「小規模な住宅」とは、木造などで132㎡以下、マンションなど(耐用年数30年超)で99㎡以下の住宅です。
図:役員報酬で払う場合と社宅にする場合(家賃20万円の例)
3始め方——順番をまちがえないで
手順は、①賃貸借契約を法人名義に切り替える(または法人所有にする) → ②物件の固定資産税課税標準額を調べて賃貸料相当額を計算 → ③役員から毎月きっちり徴収(給与天引きが確実)。 課税標準額は、貸主経由で固定資産税の評価証明などを取り寄せて確認します。 自社所有の物件に住む場合も同じ式で計算できます。
ここが落とし穴
①「住宅手当」や個人契約の家賃を会社が負担する形は全額給与課税。必ず法人契約に。
②賃貸料相当額の徴収がゼロ・不足だと、その分が役員給与として課税されます。
③「家賃の50%取ればOK」は役員の小規模住宅には当てはまらない俗説。式で計算した額が基準です。
④プール付きのような豪華社宅は対象外。判定に迷ったら税理士へ。
きょうのまとめ
- 会社契約+賃貸料相当額の徴収で、家賃の大部分が損金に
- 相当額は固定資産税ベースの式で計算。家賃20万→月2万円台の例も
- 順番は法人契約→計算→毎月徴収。住宅手当方式はNG
- 「50%ルール」の思い込みに注意。式で出した額が正解