第2章 保険・修繕
入居者の死亡事故にそなえる
入居者の死亡事故にそなえる
「家主費用特約」
ようするに→もしもの孤独死のとき、原状回復や空室の損失をカバーしてくれる話
最終確認日:2026年9月10日 ※制度は変わることがあります
ちょっと重たいテーマだけど、これからの賃貸経営で避けて通れない話。
ひとり暮らしの高齢の入居者さんが増えるなか、お部屋の中での死亡事故は
どの物件でも起こりうる時代になったんだ。
そのときの大家さんの負担を支えてくれるのが家主費用特約だよ。
1もしものとき、大家さんに何の負担がある?
お部屋の中で入居者さんが亡くなり発見が遅れた場合、大家さんには大きく3つの負担が発生します。 ①原状回復(特殊清掃・消臭・修繕)、②遺品整理への対応、 そして③空室・家賃値引きによる収入減。 相続人と連絡が取れず、費用の回収が難しいケースも少なくありません。 精神的にもお金の面でも、備えなしで向き合うのはつらい出来事です。
図:家主費用特約がカバーしてくれる3つの負担
2入り方は2通り——特約か、単独の「孤独死保険」か
ひとつめは、火災保険に家主費用特約として付ける方法。 死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死など)の際の家賃損失や原状回復・遺品整理費用を補償します。 ふたつめは、少額短期保険会社などが出している単独の「孤独死保険」に入る方法。 保険料は物件規模によりますが、いずれも大きな負担にはなりにくい水準です。 高齢の入居者さんが多い物件から優先して備えるのがおすすめです。
3「高齢者お断り」ではなく「備えて受け入れる」へ
この保険の本当の価値は、安心して高齢の入居者さんを受け入れられるようになること。 単身高齢者は今後ますます増え、受け入れる物件は空室対策の面でも強くなります。 国のセーフティネット住宅の登録制度(補助あり)と組み合わせれば、 「社会に必要とされる賃貸経営」と「収益」を両立できます。守りの保険であり、攻めの道具でもあるのです。
ここが落とし穴
①支払い条件は商品ごとに大きく違います。対象になる死亡事故の種類、発見までの日数、家賃補償の上限(値引き補償は50%までなど)や期間——契約前にここを必ず確認。
②すでに付いているのに知らないケースも。まずは今の火災保険の特約一覧を見てみましょう。
きょうのまとめ
- 室内での死亡事故の負担は原状回復・遺品整理・家賃損失の3つ
- 備えは家主費用特約または単独の孤独死保険
- 支払い条件・上限は商品差が大きい。契約前の確認が命
- 備えがあれば高齢入居者の受け入れが空室対策の武器になる